大判例

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名古屋高等裁判所金沢支部 昭和30年(う)15号 判決

職権で調査するに原判決は法令の適用につき刑の変更があつたとして、刑法第六条により刑の比照をして処断しているけれども、昭和二十九年六月十二日法律第百七十七号附則第二項には経過規定として「この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用についてはなお従前の例による。」と規定している。従つて本件については右附則二項を適用しなければならないのに、原判決が刑法第六条を適用したのは法律の適用を誤つたものである。しかし結果において改正前の法律により処断しているのであるから判決に影響がないので原判決破棄の理由とはならない。また原判決は覚せい剤の没収につき覚せい剤取締法第四十一条の三を適用しているが右は同じく昭和二十九年六月十二日法律第百七十七号により追加されたものであり、本件犯行は右追加前の行為であることが明かであるから昭和二十九年六月十二日法律第百七十七号覚せい剤取締法の一部を改正する法律附則第二項、刑法第十九条により没収すべきである。しかるに原判決が覚せい剤取締法第四十一条の三により没収したのは法律の適用を誤つたものである。しかしひとしく没収処分をなす点よりみれば右法律適用の誤は判決に影響を及ぼすものでないから結局この点も原判決破棄の理由とはならない。

(裁判長判事 水上尚信 判事 成智寿朗 判事 沢田哲夫)

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